今年の「3・8女神節」の様子(北京で撮影) 写真:AP/アフロ

 3月といえば、中国では全国人民代表大会(全人代、日本の国会に相当)が間違いなく最も重要な国家行事である。5日から開幕した全人代は連日、さまざまな動きが報道されている。

 筆者は李克強首相による最後の政府活動報告をライブで聞いたが、李克強首相の報告に対して参加者による拍手の時間がいつもより長かったことが印象深かった。マクロ経済政策や産業発展、デジタルとテック関連、民生、重要タスクなどは昨年12月に行われた中央経済工作会議の報告とそれほど変わらず、内需拡大と消費に関しては「不動産や車などの耐久消費財の安定を図り、生活サービス関連消費の回復」が強調された。

 そして、新たに就任し、全人代閉幕後に行われた記者会見に臨んだ李強首相は「長風破浪、未来可期(波を恐れず追い風に乗り、未来は期待できる)」の八文字で、中国経済に対する楽観的な姿勢を示した。

 こうした中、個人やビジネス業界では国際女性デーに相当する中国の「3・8女神節」(従前の「3月8日婦女節(婦人の日)」)が静かに注目を集めた。数年前からだと思うが、「婦女節」から「女神節」と呼ぶようになったが、女性の友人たちは皆、「女神節」との呼び方に変わり、高揚感が高まったようで、ご褒美で必ず何か買ったり特別なことをしたりすると言っている。

 今回は「3・8女神節」から中国のウーマンエコノミックにフォーカスしたい。

「3・8女神節」には女性消費者の財布のひもが緩くなる

 中国では女性にとって「3・8女神節(国際女性デー)」が特別な日になる。特に働く女性であれば、勤務先から半日の休暇を頂き、何かプレゼントされることもある。

 いわゆる女性としての特権を表す日だが、女性消費者の財布のひもが緩い時期であるため、近年、オンライン(ECサイト)からオフライン(百貨店など)までキャンペーンを展開するところが多い。

 今年も「女神節」に合わせて販促キャンペーンが多く行われ、旧正月後の初の商戦となった。正式な統計がないものの、京東や抖音(中国版TikTok)などの公開データによると、普段より高い販売実績を獲得したようだ。