広がるPTA廃止の動き、子供が主役の改革を

 PTAは任意参加の団体ですが、強制加入と見まがうような勧誘が長きにわたって各地で繰り返されてきました。会費そのものは子ども1人につき年額数百円〜1000円程度。全国協議会は子ども1人あたり年間10円の会費を受け取っていますが、それが全国ともなると膨大な金額になります。そうしたずさんな金銭管理や悪意のえじきになっている現状を知れば、多くの保護者はうんざりすることでしょう。

図:フロントラインプレス作成
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 GHQによる民主化教育の目玉の1つとして導入されたPTAは、もう役割を終えたとする識者も大勢います。一方、学校教育の現場ではPTAをよりよい組織につくり変え、少しでも子どもたちのために役立てようとする試みも途切れていません。

 PTAを廃止し、事実上の強制や会費のない「保護者会」に衣替えする動きは各地で出ています。PTAの頭文字にChildren(子どもたち)の「C」は入っていませんが、学校教育の主役はあくまで子どもたち。PTAの改革がどのような方向に向かうにしても「C」を忘れた改革は大きな成果を生み出せないに違いありません。

フロントラインプレス
「誰も知らない世界を 誰もが知る世界に」を掲げる取材記者グループ(代表=高田昌幸・東京都市大学メディア情報学部教授)。2019年に合同会社を設立し、正式に発足。調査報道や手触り感のあるルポを軸に、新しいかたちでニュースを世に送り出す。取材記者や写真家、研究者ら約30人が参加。調査報道については主に「スローニュース」で、ルポや深掘り記事は主に「Yahoo!ニュース オリジナル特集」で発表。その他、東洋経済オンラインなど国内主要メディアでも記事を発表している。