2.どこかに消えた大量製造されたミサイル

 250台のミサイルは、「火星11号ラ」であるという情報がある。

 その形式や能力は、2連式の短距離弾道ミサイルで、射程110キロ以上、改良型は約300キロという。

 このミサイルが第一線地上部隊に配備されるというのは、ミサイル運用上はあり得ない。

 その理由は、ミサイル運用はミサイル上級司令部(ミサイル軍団あるいは師団)部隊の指揮下により統一して運用されるものだからだ。

 第一線地上部隊がミサイル部隊を運用することはあり得ないのだ。

 また、このようなミサイル部隊が、第一線部隊の戦闘を直接支援することは基本的にはない。

 韓国国防部の発表でも、「これらのミサイルは、第一線の地上部隊に配備された形跡はない」という。

 では、これら250台はどこに行ったのか。行き先は、第一線部隊の後方の坑道陣地の中か、あるいは、ロシアに輸送されたのか。

 これほど多くのミサイルが、韓国情報機関に発見されていないことを考えれば、北朝鮮の国内に存在するというよりは、ロシアに輸送された可能性の方が高いと見られる。