自衛官の再就職

 自衛官は、国家の要請で任期制や若年定年制の仕組みになっているわけであるから、国家は再就職の斡旋などをしなければならないと思うが、今日までそうはなっていない。

 任期制の隊員は2年や3年、任期を延長した人は4年か5年で終えて自衛隊生活から社会復帰するわけであるが、その間に人間としての礼節の基本を身につけ、また社会復帰に必要な技術の習得もする。

 高卒や大卒で一般社会に出た人よりも「国家」や「社会」にとっては有用な人物となっていることは保証できる。

 50代で定年になる職業自衛官も国家が一定の保障しなければ後に続く者がいなくなるに違いない。

 ほとんどがゼネラルマネージャー的な能力を備えているわけであるが、今日の日本において自ら再就職の道を探すとなると困難がつきまとう。

 政治がいくつかの選択肢を示すことが、入隊し、現役として何の憂いも無く任務に注力できる最小限の条件ではないだろうか。

 国家の守りが盤石であると、外交にも自ずと自信が出てくる。

 すなわち抑止力の保持は外交力を高め、国家の威信や価値を高める効果につながる。

 今日では女性や身体障害者などを一定の比率で自治体や企業が雇用するよう義務付けされている。

 自衛官たちは健常者であるが、任務上から若年で退職させられる。この問題が解決しない限り、少子化で適齢人口の減少も加わり自衛官募集は一段と厳しくなるに違いない。

 すなわち、危機の高まりに反比例して自衛隊は隊員不足などから機能が低下しかねない。除隊後の再就職が明かるければ応募者も増えるに違いない。