連載:少子化ニッポンに必要な本物の「性」の知識
神学者で哲学者としても知られるローマ帝国時代の賢人アウグスティヌスは、旧約聖書に登場する、「アダムとイブ」に性欲の起源を見出した。
当初2人は性欲を抱くことなく交わっていたのだが、原罪を犯したために、「淫欲の伴う性行為」をするようになったとアウグスティヌスは説く。
原罪とは、アダムとイブが神の教えに背き、禁断の実を食べてしまったことを指す。
そしてアウグスティヌスは、「人類は皆、生まれながらにして罪を背負う」と、原罪はすべての人間に架されていると説いた。
クレオパトラは口淫の名手だった
「英雄」とは、才知・武勇に優れ、偉業を成し遂げた人。仕事で高い実績を上げた人物を指すこともある。
「英雄色を好む」とは、「英雄は活力にあふれ、何事にも精力的に活動するため、性的活動も積極的で派手」ということで、英雄なら性的活動が派手でも容認される、という意味合いがある。
「英雄」の「雄」とは男性を指す言葉が、「英雄色を好む」とは、男性だけでなく女性にも当てはまるようだ。
プトレマイオス朝エジプトのファラオ・クレオパトラは、「世界三大美人の一人」と伝えられるが、実際には「絶世の美女」ではなく、容貌は「十人並み」だったと言われている。
では、なぜ、あれほどまで共和政ローマ末期の独裁官ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)や、同じく共和政ローマの三頭政治の一頭として権力を握った政務官マルクス・アントニウスが彼女の虜になってしまったのか。
それは彼女の口淫テクニックが群を抜いていたからだといわれている。
古代ローマやギリシャでは、女性が男性器を口唇で刺激するフェラチオは、娼婦たちがするもので淫らな行為とされていた。
一方で古代エジプトにおいてフェラチオは、神聖なる復活の儀式として、大英博物館所蔵の『死者の書』を描いたパピルスにも、神話として描かれている。
エジプト神話によれば、戦争神セトが、太陽神ラーから王位を継いだ兄のオシリスに嫉妬して殺してしまうと、その遺体を14の部位にバラバラに切り刻んだ。
オシリスの妻で女神イシスは、夫の身体の破片を集めて元通りにしようと試みる。
だが、ペニスは川に捨てられていたため、既に魚に食われてしまっていた。そのためにイシスは代りの人工ペニスで夫オシリスを復元してみたが反応がない。
そこで、イシスはオシリスに生気を吹き込むため、人工ペニスにフェラチオを施したというだ。
ギリシャ人はクレオパトラのことを「ザ・ゲイバー(大口女)」と呼んだ。彼女は自身の肌の美容のために、精液を顔や身体に塗っていたとの口承がある。
クレオパトラは、カエサルを口淫で尽くして籠絡し、妾に収まるまでに、その分厚い唇で千人以上もの男たちを狂喜させてきたという。
ローマ滞在中には、政府高官や貴族、そして護衛たち106人を一夜のうちに楽しませたとも伝えられている。