電費の振れ幅が大きい原因は「エアコン」か?

 今回の旅は京都で友人と落ち合い、山陰を周遊した。山陰は強力な充電器の配備数が少なく、3回は充電電流97~125Aの低速充電器を使った。それを含めて鹿児島までの経路充電を紹介すると、

神奈川・厚木を100%充電で出発→①京都(461.5km/電流350A超高速25分)→②鳥取(256.3km/106A低速24分)→③松江(118.0km/200A高速30分)→④浜田(197.0km/125A低速30分)→⑤長門市(125.4km/97A低速18分)→⑥下関(72.9km/200A高速16分)→⑦佐賀(124.0km/350A超高速30分)→鹿児島(255.2km)

 シールに限らずBYD車はトリップメーターに連動した電費(電力量消費率。エンジン車の燃費に相当。単位km/kWh)がなく、直近50kmの平均電費しか表示がないため、正確な電費を知ることはできなかったが、新東名を含む高速区間が5~5.5km/kWh、郊外の自動車専用道路などペースの速い区間が6~7km/kWh、のんびりペースの郊外路が7~8km/kWhといったところであった。

 この電費の振れ幅はBEV(バッテリー式電気自動車)の中では割と大きいほうだ。その原因のひとつとして考えられるのはエアコン。ドライブを行った時期は最高で38℃台という猛暑続きだったが、シールのエアコンはコンプレッサーの容量や送風機構の能力が室内容積に対して十分余裕があるとは言えず、気温が上がるとエアコンが延々フル稼働する。

 気温が35℃前後となる昼間は電費が悪く、30℃少々に落ちる夕方以降は電費が良いという傾向も顕著で、エアコンの電力量消費がばかにならないものと推察された。また風量がなかなか下がらないことはせっかくの車内騒音の低さをかき乱されるもとにもなった。

電費はBEVの中でも運転の仕方や外部環境の影響を比較的受けやすいほうだった。それほど気温が高くない中を効率の良い領域を読みながら運転すると電気の消費量を大幅に抑制できる(筆者撮影)