大統領の娘婿の就職先は資金洗浄が目的のペーパーカンパニー?

 また労組は、タイの格安航空会社「タイ・イースター航空」はペーパーカンパニーで、李氏の秘密資金を洗浄する目的で使われていたと主張し、李氏を背任横領、採用不正などの疑惑で告訴した。

 当時、「国民の力」でも文大統領の婿であるソ氏がタイ・イースター航空の役員として就職する過程が釈然としないという攻勢を繰り広げていた状況で、国民の力は2020年9月、文在寅大統領と李相稷氏らを検察に告発した。

 だが、李相稷氏事件を調べていた文在寅政権当時の検察は、タイ・イースター航空が李氏の秘密資金と思われる71億ウォンをマネーロンダリングするのに使われたという証言を確保したにもかかわらず、会社の所在地が海外であるという理由で、タイ・イースター航空に対しては「期限付き起訴中止」の処分とし、文在寅政権下では捜査が中断されていた。

 だが尹錫悦政権が発足し、尹大統領の最側近検事とされる李昌洙(イ・チャンス)検事(現ソウル地検長)が23年9月に本事件の管轄支庁である全州地検長に赴任すると、ようやく捜査が再開された。