ウクライナ製兵器による自助努力を評価する

 バイデン政権がATACMS等の使用制限を解除しない状況下において、ウクライナは、自ら開発・製造したドローンやミサイルでロシアの縦深目標に対する攻撃を効果的に行っている。

 ウクライナは最近、ATACMS 射程内(300キロ)のロシア軍目標に対して自国製の精密兵器による攻撃を成功させている。

 このことは、ウクライナには依然として攻撃を実施する必要性があり、米国の制限を解除することでより効果的にロシアの戦争遂行能力を削減することができることを示している。

 ウクライナ軍は、主に長距離攻撃ドローンと部分的に改良されたネプチューン対艦ミサイルにより、ロシア国内に対する縦深攻撃能力を開発することができた。

 国産兵器によるウクライナの攻撃作戦は、黒海艦隊を黒海西部から追い出し、直近では、ロシアの石油精製所に対する攻撃により、クレムリンはウクライナ自身のエネルギーインフラへの攻撃の一時停止の可能性に関する交渉を検討せざるを得なくなった。

 ISWによると、ウクライナ軍は8月24日にヴォロネジ州オストロゴシュスク近郊のロシアの弾薬庫に対してドローン攻撃を実施し、その地域で火災が発生し、少なくとも3回の爆発が起こった。

 ウクライナ国防省情報総局(GUR)は、この大規模な弾薬庫にはロシア西部軍集団(クピャンスク~スヴァトヴェ~クレミンナ線を担当)向けの大砲や戦車の砲弾、小火器の弾丸、地対空ミサイルが保管されていると報告した。

 この施設は、ウクライナが支配するハルキフ州から発射されるATACMSの射程内にある。

 ゼレンスキー大統領は8月24日、ウクライナが初めて「パリャヌィツャ・ミサイル・ドローン」を製造し、配備に成功したと発表した。

 ウクライナのオレクサンドル・カムイシン戦略産業大臣は、ウクライナ軍がこの「ミサイル・ドローン」を使用して、ウクライナにあるロシア軍施設を攻撃したと述べた。