結言

 ロシアは侵略戦争という大罪を犯し、そのためにウクライナは国家の独立と領土の一体性を保持するために戦っている。

 国際社会はその間ずっと優柔不断で、ウクライナへの全面的な支援をためらい、約束したウクライナへの支援さえもしばしば履行していない。

 ウクライナがウクライナ国内の防衛線を維持するだけでは、侵略者であるロシア軍を追い出すことはできない。

 バイデン政権は、戦争のエスカレーションを恐れるが、エスカレーションを行ってきたのはウクライナではなく、プーチン氏が支配するロシアだ。

 多くの人たちが言っているように、「この戦争はプーチン氏がやめない限り終わらない」。

 彼に戦争をやめさせるためには、ウクライナの勝利、つまりロシアの敗北が不可欠である。

 逆にロシアが勝利してしまえば、ロシアの伝統的な拡張主義は継続し、ロシアの脅威はウクライナの周辺国に波及する。

 現在、ウクライナ軍はクルスク州での攻撃を重視していることもあり、ウクライナ東部のポクロウスク正面ではロシア軍の集中攻撃を受けて厳しい状況にある。

 自由民主主義陣営、特に米国は、ロシアの敗北を心配するのではなく、ウクライナの敗北をこそ真剣に心配しなければいけない。

 その意味で、バイデン政権はATACMSのロシア国内での使用禁止などの愚かな政策を抜本的に改め、ウクライナの勝利を確実にする方策を追求すべきだ。