学校での「○○さん」「△△君」呼称区別にデメリットは?

岡邊:では、まずAのほうから。

ゆうだい:この教科書でも述べられてたと思うんですけど、女子は「さん」で男子は「君」みたいに呼ぶところは、大学でもあると思ってて。出席をとる授業で、女子に対して「君」って呼んじゃって、「間違えた、何々さん」って言い直すとかがあるんですけど、わざわざ言い直すのは…。

 男子も「さん」って呼ばれて怒る人なんていないと思うので。たぶん、小学校から大学までずっと「さん・君」呼びで、途中で「さん」に統一すると、何か違和感を覚えちゃう。小学校ぐらいから呼び方を考えていくべきだなと思いました。

岡邊:「さん」「君」呼びには、どういうデメリットがありそうですか?

ゆうだい:「さん」「君」呼びで分けちゃうと、「男女の区別が当たり前」みたいなのが、根底にできちゃって、他の区別に対しても「そういう区別は駄目だ」みたいな意識が、多少薄れていくんじゃないかなと思ってて。

岡邊:11章の著者もそういう考え方ですね。学校の先生に、呼称を「さん」で統一することを勧めています。ちっちゃいことのように思うかもしれませんが、でも、日常的に「さん」「君」って呼び合ってるから、区別することをある種刷り込まれる。ちなみに、全員を「さん」付けで呼んでた学校って、ないですか?

ちなつ:小学校はそうでした。

岡邊:中学校は違った?

ちなつ:先生によって違いました。小学校は、学校で統一されてました。

岡邊:おそらく学校で、意図的にやったんでしょうね。

けんた:むしろ「さん」「君」で呼び分けてる人のほうが、高校に関してですが、少数派やった感じです。

「京大生、教育格差を考える」授業の一コマ京大での授業「教育格差を考える」の一コマ
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しおり:私はずっと、女子「さん」、男子「君」やったんですけど、今、小4の妹がいて、その妹の小学校では、自分とおんなじ小学校なんですけど、みんな「さん」で呼んでます。

岡邊:それは何か、学校で方針が変わったってことが、想定されますよね?

しおり:多分そう、全部「さん」で統一されてるらしいです。

岡邊:日常的に区別が可視化される、その典型が呼び方です。もう一つはたぶん、名簿でしょうね。名簿、男女一緒だった?

(一同うなずく)

岡邊:最近、だいぶ、変わってきたよね。私たちの子どもの頃は、一緒なんて、あり得なかったんで…。大学に入って、初めて男女一緒の名簿を見て、新鮮でした。「これでいいんだ」みたいな。他にそういう日常的な区別で、気づいたものはありますか?