政策は変えても本質的価値に変化なし

 バッシュ氏の質問は、物価高、インフレ、福祉、不法移民、気候変動など広範囲に及んだ。

 同氏は、2019年の大統領予備選の立候補者、20年以降の副大統領当時のハリス氏の発言をとらえて大統領候補としての見解をただした。

「あなたは、2019年には大統領就任第1日に(気候変動に対処する政策の一環である)グリーン・ニューディール政策を打ち出す、と言っていたが、今も変わりないか」

 これに対して、ハリス氏はこう答えた。

「気候変動危機は今そこにある緊急な問題だ。変動状況を観測し、測定しなければならないし、削減目標策定の期限を決めねばならない」

 民主党内の過激リベラル派は、化石エネルギーに代わる太陽光発電、風力発電といった再生可能エネルギー産業の推進を提唱してきた。ハリス氏もこれに賛同していた。

 ところが、インタビューではこれには触れずじまい。

(インタビューの後、ハリス氏の側近の一人はCNNに対し、「ハリス氏はグリーン・ニューディールを支持していない」とコメントしている)

 バッシュ氏は、気候変動問題に関連してハリス氏が2019年、フラッキング(シェールガス・石油開発に使用されている水圧破砕技術)を全面禁止する、と公約していたことを取り上げ、今の考えを質した。

 ハリス氏はひと言、「フラッキングは禁止しない」。

 さらに「我々は成長できる。フラッキングを禁止しなくてもクリーン・エネルギー経済を繁栄させる途はある」と付言した。