(舛添 要一:国際政治学者)
秋の大統領選挙に向かって、アメリカの政治が熱気を帯びている。8月19日から4日間、イリノイ州のシカゴで民主党の党大会が開かれた。健康不安が懸念されていたバイデン大統領が選挙戦からの撤退を決め、副大統領のカマラ・ハリスが後を継いだことで、大会は大いに盛り上がった。
支持率でトランプを上回る
ハリスは、共和党の大統領候補であるトランプよりも若く、検事出身の女性で、インド・アフリカ系である。彼女は、ミネソタ州知事のティム・ウォルズを副大統領候補にした。
7月13日にトランプがペンシルベニア州のバトラーで銃撃されたが、この暗殺未遂事件で共和党は結束し、トランプ支持率も上がった。しかし、7月21日にバイデンが大統領選からの撤退を表明し、ハリスを後継に指名したことで、次第に民主党の支持率も回復していった。
そして、8月に入ると、世論調査の支持率でハリスがトランプを上回るようになった。8月10日のニューヨークタイムズ紙によれば、激戦州のペンシルベニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州の3州で、いずれも50%vs46%でハリスがトランプをリードした。
「リアル・クリア・ポリティクス」によれば、8月16日時点で、全米では、47.9%vs46.9%でハリスが上回る。激戦7州で見ると、ハリスが上なのが、ミシガン州(48.6%vs46.5%)とウイスコンシン州(48.6%vs47.6%)で、逆にトランプがリードしているのが、ペンシルベニア州(47.6%vs47.8%)、ノースカロライナ州(45.4%vs47.8%)、ジョージア州(47.3%vs47.9%)、アリゾナ州(47.0%vs47.8%)、ネバダ州(44.3%vs47.8%)である。
8月19日のワシントンポスト紙によると、全米でハリスがトランプよりも1ポイント上である。