ポール・ワトソン容疑者(写真:AP/アフロ)
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(国際ジャーナリスト・木村正人)

10人以上の現地警察とSWAT隊員が急襲

[ロンドン発]日曜日の7月21日朝、デンマーク自治領グリーンランドのヌークに入港した環境保護団体グリーンピースの初期メンバーで、反捕鯨団体シー・シェパード(SS)とキャプテン・ポール・ワトソン財団(CPWF)の創設者ポール・ワトソン容疑者(73)が逮捕された。

 キャプテン・ポール・ワトソン財団によると、ワトソン容疑者はM/Yジョン・ポール・デジョリア号(全長72メートル)に乗り、日本の新しい捕鯨母船「関鯨丸」が北太平洋で活動するのを妨害する作戦の一環としてボランティア乗組員25人とともに給油のためグリーンランドに寄港した。

 M/Yジョン・ポール・デジョリア号が着岸するや否や、10人以上の現地警察とSWAT(特殊部隊)隊員が乗り込んだ。手錠をかけられたワトソン容疑者は船から降ろされた後、地元の警察署に連行された。ボランティア乗組員とキャプテン・ポール・ワトソン財団はワトソン容疑者と連絡を取る手立てはない。

 現地警察は「日本からの国際逮捕手配に基づきワトソン容疑者を逮捕した」とだけ乗組員に伝えた。今回の逮捕はワトソン容疑者が過去に南極海域で日本の調査捕鯨に対する妨害活動を行ったとして発行された国際逮捕手配(レッド・ノーティス)によるものだ。