その2日後、ドローンは別のMi-8輸送ヘリも撃墜。クルスク州侵攻作戦に合わせSBUの特殊作戦センター「A」によって実行されたという。ウクライナ戦争では攻撃・監視用ドローンがいたるところで車両、部隊、防衛陣地を標的にしているが、空中のヘリが撃墜されるのは初めて。

 ロシアのヘリコプターメーカーはヘリがドローン攻撃に対し脆弱である可能性を認め、ヘリのドローン対策を強化するためのアップグレードに取り組んでいる。2年半前にウクライナ戦争が始まった時、軍用ヘリを撃墜するのにドローンが使われるとは想定もしていなかった。

今年6月、ハリコフの前線近くでFPVドローンに砲弾を取り付けているウクライナ軍第92独立強襲旅団の兵士(写真:ロイター/アフロ)
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「デジタル時代のパンドラの箱が開いた」

 ノルウェー軍司令官ルナール・スパンスヴォル氏は英シンクタンク、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)の論文集に「SNSとクラウドファンディングとドローンの武器化」と題し「デジタル時代のパンドラの箱が開き、戦争の性格に予期せぬ変化がもたらされた」と指摘している。

 SNS、クラウドファンディング、市販ドローンという三種の神器が現代の戦争とその性格に変化をもたらし、強力な「三位一体」へと収れんした。ウクライナは西側諸国から武器弾薬だけでなく、大量の市販ドローンを受け取り、武器化している。