8月22日、ノヴォ・オガリョヴォ公邸で政府関係者とビデオ会議を行うプーチン大統領(写真:代表撮影/AP/アフロ)
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(国際ジャーナリスト・木村正人)

パリ郊外の空港で“電撃逮捕”されたドゥロフ容疑者

[ロンドン発]ロシアの暗号化メッセージングサービス「テレグラム」創設者で最高経営責任者(CEO)のロシア系フランス人、パヴェル・ドゥロフ容疑者(39)が8月24日午後8時ごろ、仏パリ郊外にあるル・ブルジェ空港でフランスの法執行機関に“電撃逮捕”された。

 テレグラムは31カ国で一時的または恒久的な禁止に直面している。

 テレグラムは翌25日の声明で欧州連合(EU)の法律を順守しているとして「プラットフォームやその所有者が、そのプラットフォームの悪用に責任があると主張するのは馬鹿げている」と反論している。ドゥロフ容疑者の即時釈放と表現の自由を求めてネット空間は大炎上している。

2017年8月、ジャカルタでインドネシアのルディアンタラ通信情報大臣と会談した後、カメラに向かって微笑むテレグラム創設者のパヴェル・ドゥロフ氏(写真:AP/アフロ)
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 仏民間テレビ局TF1(8月24日)によると、ドゥロフ容疑者はアゼルバイジャンからボディーガードと女性を伴って自家用ジェット機で到着し、空港の滑走路に降りたところを取り押さえられた。フランス国家犯罪捜査局による予備捜査のための令状が執行された。

 テレグラムを利用するテロ組織・麻薬密売・小児性愛犯罪・詐欺の捜査に協力しなかったとして、共犯容疑をかけられた。フランスでペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)扱いになったドゥロフ容疑者は旧ソ連諸国、アラブ首長国連邦(UAE)、南米を転々としていた。