自らが運営するプラットフォームのテレグラムで数え切れない犯罪が行われているのを黙認した罪に問われたかたちだ。億万長者のドゥロフ容疑者は逃亡の恐れがあるため、起訴後も勾留される見通しだ。TF1は逮捕の狙いについて以下の見方を示している。

プーチンはアゼルバイジャンでの面会を拒否

 まず、テレグラムのような暗号化メッセージングサービスを悪用する犯罪者や地下組織に「逮捕する」という強いシグナルを送り、犯罪を抑止する一罰百戒の狙い。第二に、テロ対策でテレグラムに協力させるため欧州諸国が足並みをそろえて圧力をかける足がかりにする狙いがある。

 在仏ロシア大使館は8月25日、テレグラムに「彼の権利を保護するため、われわれは直ちにフランス当局に逮捕の理由を説明し、領事面会を認めるよう求めた。今日現在もフランス側はこの問題に関する協力を避けている。ドゥロフ氏の弁護士と連絡を取り合っている」と投稿した。

 テレグラムチャンネル「Baza」によると、ウラジーミル・プーチン露大統領は8月19日にバクーに到着し、2日間アゼルバイジャンに滞在していた。訪問の数日前、露大統領府のスタッフからドゥロフ容疑者と会うよう提案されたが、拒否した。面会の狙いも断った理由も分からない。

8月19日、アゼルバイジャンを訪問中に、バクーの聖携香女聖堂で蝋燭に火を灯すロシアのウラジーミル・プーチン大統領(写真:Vyacheslav Prokofyev/Kremlin Poo/Planet Pix via ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ)
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