ソーシャルネットワークや暗号通貨をつくって150億ドルを超える富を築き「ロシアのザッカーバーグ」と呼ばれたドゥロフ容疑者とは一体、何者か。「12カ国で精子を提供し、100人以上の子供の父親になったことを自慢していた」と英紙ガーディアン(8月26日)は紹介している。

本社屋上から高額紙幣の紙飛行機を飛ばす

 サンクトペテルブルク出身で、20代でSNSの「VK」を立ち上げ、旧ソ連諸国全体でフェイスブックを上回るソーシャルネットワークを築き上げた。クレムリンとの対立や所有権争いの後、VKを売却しテレグラムを設立。インタビューにはほとんど応じず、その実像は謎に包まれる。

テレグラムのシンボルは紙ヒコーキ(写真:Adrien Fillon/ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ )
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 テレグラムのシンボルは紙ヒコーキ。デュロフ容疑者は「プライバシーは究極的にはテロのような悪いことが起こることへの恐怖よりも重要」「真に自由であるためには、自由のためにすべてを危険にさらす覚悟が必要」とその信念を披瀝している。

 12年、ドゥロフ容疑者はサンクトペテルブルクのVK本社屋上から5000ルーブル紙幣(約8000円)で作った紙ヒコーキ約20機を飛ばした。「自他ともに認めるリバタリアンで、インターネット上の機密保持とメッセージの暗号化を支持してきた」(ガーディアン紙)

 反プーチン抗議デモではデモ行進を組織するプラットフォーム上のグループの閉鎖を拒否したことでリベラルな反プーチン勢力の象徴になった。ロシア保安庁(FSB)に反プーチン勢力の個人情報を渡すことを拒否、VKの株式を売却して14年にロシアを去った。