トランプとバンス、ハリス批判にも迫力欠く

 一方のトランプ氏だが、今週は「開店休業」だ。

 遊説もハリス氏とは比較にならないほど少ない。動員数もめっきり減っている。

 SNSでハリス批判に余念がないが、かつてのようなパンチがない。

 頼りのJ・D・バンス共和党副大統領候補も迫力に欠ける。ティム・ウォルズ民主党副大統領候補の軍歴詐称を取り上げたものの、軽く一蹴され攻めあぐんでいる。

 トランプ陣営は、民主党内の左翼勢力を「共産主義者だ」と糾弾し、「ハリス氏の政策は共産主義的スタンスだ」と批判している。

(その背景には、中高年層に根強い反共色に訴えようとする狙いが見え見えだが、35歳未満の若年層には共産主義、社会主義に対する嫌悪感、危機感はそれほどない)

(なおかつ、トランプ氏はロシアのウラジーミル・プーチン大統領や北朝鮮の金正恩国家主席に親近感を持っており、自己矛盾しているため、反共スタンスにも国民的な共感はない)