民主党の副大統領候補に指名されたミネソタ州のティム・ワルツ知事(8月6日フィラデルフィアにあるテンプル大学での演説、写真:UPI/アフロ)

ペンシルベニア皮切りに2人3脚キャンペーン

 11月の米大統領選。民主党候補指名を受諾したカマラ・ハリス副大統領(59)は8月6日、SNSで自身の副大統領候補に中西部ミネソタ州のティム・ワルツ知事(60)を起用すると発表した。

 その直後、うち揃って激戦州、ペンシルベニア州フィアデルフィアに乗り込み、約1万人の支持者にハリス氏は、こう訴えた。

「今この瞬間、米国民が苦労して戦い、勝ち取った自由と権利に対する全面的な攻撃を目の当たりにしている。トランプ氏は私たちの自由の時計の針を巻き戻そうとしている」

「皆さんは、『自由と思いやりと法の支配の国』と『混乱と恐怖と憎悪の国』のどちらで暮らしたいのか。その選択は皆さんの手にある」

 終始、ハリス氏に寄り添い演説に拍手を送っていたワルツ氏は、張りのある声で副大統領候補としての意気込みを熱っぽく語った。

 ワルツ氏は、トランプ氏の副大統領候補のJ・D・バンス上院議員(40)に言及してこう言い切った。

「バンス氏は、米国の政治から忘れられているヒルビリー(中西部の低所得層)を代弁すると言っているが、本当か」

「私も中西部の田舎出身だが、私の親類縁者で(バンス氏のように)東部のエリート校イエールに行った者はいないし、(バンス氏のように)ベンチャー・キャピタリストになった者もいない」

「バンス氏は、トランプ氏の危険で後進的な課題を共有している。(同氏と)公開討論するのが待ち切れない」

 ハリス氏とワルツ氏は、ペンシルベニアを皮切りに、中西部ウィスコンシン、南部ジョージア、西部アリゾナなど激戦州を5日間にわたって遊説する。

 一方のトランプ氏だが、8月3日に激戦州、ジョージア州アトランタでの集会で90分間演説したものの、その後はフロリダの私邸に直行。

 今後の遊説日程は発表していない。

 トランプ氏は、ハリス氏とのABC主催の公開討論会も拒否、代わりに保守系FOXテレビ主催の討論会を主張しているが、具体的な日程は決まっていない。