米有力シンクタンクのブルッキングスが「ハリス・ブーム」を徹底分析
女性・若者・黒人・ラティーノの「結束態勢」は「オバマの奇跡」再来
2024.8.4(日)
高濱 賛
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トランプの「確信犯的無知」に黒人失笑
米民主党は8月2日、米大統領選を戦う党候補を指名するオンライン投票で、カマラ・ハリス副大統領(59)が指名獲得に必要な代議員の過半数を確保したと発表した。
(washingtonpost.com/harris-becomes-democratic-nominee/)
インド系黒人女性候補ハリス氏と、白人優越を唱える白人男性ブルーカラー層支持の岩盤を抱えて自信満々のドナルド・トランプ共和党候補(前大統領=78)との短期決戦が一層激化する。
両者の対決は、ただ大統領を選ぶ政治行事を超えて、米国内に広がる人種、男女性別、宗教、慣習を網羅した「カルチャー・ウォア」(精神的文明)であり、分裂の溝をさらに深めるのは必至だ。
7月31日、トランプ氏は、先制攻撃を仕掛けた。
普通の政治家はあまり触れない「人種のアイデンティティ問題」を取り上げたのだ。
側近たちが最後まで止めた全米黒人記者協会(NABJ=会員数4000人)の年次総会に出席、そこでハリス氏を「黒人ではない。インド人だ」と批判した。
NABJと言えば、激しい人種差別を乗り越えてジャーナリストになった黒人たちの団体だ。
そのエリートたちは、トランプ氏の発言に失笑した。
トランプ氏の発言の真意は奈辺にあったのか。黒人コラムニストの一人は、こうコメントする。
「黒人一般大衆の間にある、肌の色や風貌からくるハリス氏との距離感を突いたのだろう。ハリス氏に傾く黒人票をかっさらう狙いがあったのか」
「あるいは、黒人の牙城に乗り込み、『俺は誰の前でも本音を言う』と白人至上主義の白人男性層に見得を切ったのか。いずれにしても思い付きではなく、事前に練りに練った発言かもしれない」
全米メディアは右も左も一斉にこの発言を取り上げた。
ハリス氏はその直後、遊説演説で「失礼であり、尊敬の念に欠ける。しかしいつものトランプ氏の発言だ」と批判した。
(thedailypoliticususa.com/trumps-interview-with-black-journalists)