京大生が経験した「進路指導あるある」
解説はいったんここで切り上げて、以下、学生たちのディスカッションの様子を紹介しよう。第2講のお題はふたつ。ひとつめは、次のとおりだ。
(A)あなたが受けた学校での進路指導は、どのようなもので、それをあなたは、当時どう受けとめましたか、また、いまの時点でどう評価しますか。進路指導の改善に向けた提案があれば、それも挙げてください。
進路指導が「出口指導」「受験指導」に陥りがちであると言われて久しい。そうした状況を念頭に置いたうえで、本連載第2回で紹介したやりとりに引き続いて、京大生の経験した進路指導の「あるある」をご覧いただこう。
「京大目指す」と言ったら先生のサポートが手厚くなった
岡邊:では、お題(A)から。
ゆうだい:自分の高校は、大学進学以外の選択肢は、提示されてなかったかなと。以前の回でも話しましたが、講演会みたいなのが、めちゃめちゃ多くあって。
岡邊:それ、1年生から3年生、全員が聞くようなタイプの講演ですか。
ゆうだい:卒業生が話す講演会、「どこどこ受かりました」みたいな人が来るのは、2、3年生のときです。
岡邊:講演会の内容は、どんなふうに思いましたか。
ゆうだい:進路を考えないといけないタイミングで、先輩がいろんな大学を受けた経験、総合型選抜とか、いろんな形の進路みたいなのが紹介されて、講演会で得られる情報は、うれしかったです。
岡邊:担任の先生、進路指導の先生、個別に関わってもらった経験もあるかもしれませんが、どうでしょう?
しゅんすけ:僕は、学校自体は、めちゃくちゃ「受かる国公立に行こう」という感じの進路指導で。
ただ、担任の先生が若い先生で、柔軟な考えを持ってる方やったんで、僕が教育学部に行きたい、学問として教育がやりたいです、みたいなことを言ったら、3日後ぐらいに、そういうのができる大学を、ばあっとリストアップして、ここはこういうのがあって、こういう入試方式あってみたいなの、調べてくれたりしたんで。
ひろと:僕が通ってた高校が、まず、京大行く人が、数年に1人いるかいないかぐらいのとこで。だからなのか知らないけど、僕が京大を目指すって言ってから、担任の先生からのサポートが、他の人に比べてちょっと厚くなったというか。
ありがたくはあるんだけど、ちょっと不平等感というか、進学実績を考えてるのかなと思ってしまう部分があったりして、そこは、改善するべきというか……。
岡邊:先生としてはありそうだね、それは。でも、あんまり露骨にそうされたら、嫌な気持ちを持つ人もいそうですよね。