立憲民主党の代表選は9月7日告示、23日投開票の日程で行われることが決まった=2024年8月7日午後、国会(写真:共同通信社)立憲民主党の代表選は9月7日告示、23日投開票の日程で行われることが決まった=2024年8月7日午後、国会(写真:共同通信社)
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(尾中 香尚里:ジャーナリスト、元毎日新聞編集委員)

調子を落とし、またむくむくと…

 立憲民主党代表選の日程が9月7日告示、23日投開票と決まった。泉健太代表の任期満了に伴うものだ。

 そしてその代表選をめぐり、筆者がすっかり興ざめしている「あの議論」が、またぞろ大きな声で聞こえてきた。そう、「野党連携」を争点化する動きである。

 今年になってから春の衆院統一補選で3戦全勝するなど上げ潮基調に乗り「政権交代の可能性」さえ囁かれはじめていた立憲だが、直近の東京都知事選(7月7日投開票)で手痛い敗北を喫し、勢いにブレーキがかかった状況で迎える代表選だ。

 今までもそうだったが、立憲の調子が芳しくない時には必ず、この「どこと組むのか」議論が、むくむくと頭をもたげる。

「どこと組むのか」議論とは、つまりは「どこの応援を切り捨てるのか」ということである。気がつけば「どこと連携するのか」という議論はいつも「連合を切れ」「いや、共産党を切れ」という話に収れんしていく。

 正直、もううんざりである。少し考えれば分かることだが、立憲に限らずどんな陣営も、選挙になれば「とにかく1票でも多くほしい」のが当たり前だ。できるだけ多くの個人や団体に支持を広げ、押し上げてもらうことを考えるべき時に、どうして「○○を切れ」などという議論が幅を効かすのか、全くわけがわからない。

「○○」に何が入るにせよ「切れ」という言葉を使う段階で、そこには立憲の弱体化を狙う意図があるのは明らかだろう。現在の泉執行部を含め、多くの党関係者は当然それを理解していると思うが、こういう言葉に右往左往する動きがもし党内にあるのなら、もういい加減、そんな動きからは卒業した方がいい。

 メディアを含む「○○を切れ」的な言葉が持つ政治性に、もっと敏感であるべきだ。