「これは刑事的立証は困難でしょう・・・」などと、したり顔で解説するものも目にしましたが、そんなことは百も承知です。

 私は過去30数年、同様のことで高血圧になった人、体調を壊して職を離れた人、はなはだしい例では命を失った例まで、両手で足りないケースが思い当たります。

 そして、それら一つとして「刑事的に立件」はできていません。

「刑事で立件できなければ、何をしてもいい」「いじめも嫌がらせもし放題」というのであれば、反社会勢力、暴力団の嫌がらせと、何の変わりがあるでしょう?

 少なくとも、そういうことは、選挙で選ばれる公職はもとより、私企業でも大学など教育機関でも、本来決してあるべきではないはずです。

 渡瀬さんは3月6日、五百旗頭先生の急逝を知り、それが引き金になって3月12日までに、当該の告発文を準備された様子が察せられます。

 ついに死人にまで出てしまった。

 五百旗頭先生は1981年神戸大学法学部教授に就任しておられます。渡瀬さんの経歴は公表されていませんが、もし大学に進んでおられれば1982年入学の学年ですから、ティーンの頃から五百旗頭先生をご存じだったのかもしれません。

 いままで我慢に我慢を重ねてきたけれど、ことここに至って堪忍袋の緒が切れた。そしてこの告発。 

 ところが、この告発後、プロ野球優勝パレード案件で課長職がうつ病から自殺という最低の経過をたどり、さらに渡瀬さん自身まで、同じように一方的な理不尽で「降格」「懲戒」の嫌がらせを受けることになった。

 こんなことが慣例化したら、幾多の後輩公務員が同じ憂き目に遭う「前例」とされてしまう。自分が一身を呈して、この悪弊をストップさせれば、それは防止できるかもしれない・・・。

 そういった、渡瀬さんの思考の経緯が1歳違いの私には察せられ、言語道断としか言いようがありません。