最初の犠牲者、五百旗頭眞教授の急逝

 渡瀬局長が3月12日付で公表した「不法行為等」の冒頭を見て、私は今回の記事を書くを決意しました。

 残念なことに、私が確認した限り、大手から個人に至るまで、およそ既報のすべてのメディアが、冒頭に「五百旗眞眞先生ご逝去に至る経緯」の意味を全く理解せず、ピント外れな論評に終始しているのを見、愕然としました。

 五百旗頭眞さんには生前、お世話になり、また個人的なことですが、お孫さんに教養学部で数学を教えたこともあり、筋の通った、背筋の伸びた学究として敬愛申し上げておりました。

 そんなこともあり、大変に驚いたのです。

 神戸大学名誉教授で元防衛大学校長も務められた五百旗頭眞さんは「ひょうご震災記念21世紀研究機構」理事長を務めておられました。

 3月6日ご逝去の前日、5日に斎藤知事の命を受けた片山副知事が訪問、副理事長を務めていた(これまた私がよく存じ上げる)御厨貴氏(東京大学名誉教授、政治学)、河田恵昭氏(京都大学名誉教授、土木工学)お2人の「解任」を一方的に告げに来たそうです。

 来年は阪神淡路大震災30年に当たり、まさに「機構の役割・使命を果たす事実を問う最後の大きな契機であると言っても過言ではない」(渡瀬氏告発文書、以下同)ところ、この「解任」人事。

「これはまさに五百旗頭先生と井戸前知事に対する嫌がらせ以外の何物でもありません」

「あまりに突然の県からの通告に、先生はその時点では聞き置くにとどめ、片山氏にはお引き取り願ったそうですが、帰宅されてからも、斎藤知事のあまりの理不尽な仕打ちに憤慨され、夜も眠れなかったそうです」

「翌日、機構に出勤されてからも、周囲の職員に同様の胸の内を明かされ、その日の午後に機構の理事長室で倒れられ、急性大動脈解離で急逝されました」(渡瀬氏)

 渡瀬氏は「激高などの情動的ストレスがトリガーとなること」もあり「斎藤知事、その命を受けた片山副知事が何の配慮もなく行った五百旗頭先生への仕打ち」を、冒頭に告発しているのですが、既存メディアからユーチューブの類まで、その意味をさっぱり理解していない。

 よろしいでしょうか、これは「(県という)組織の中で、いじめや嫌がらせによってストレスを亢進させられ」「身体を病む状況を誘引され」「結果的に人命が失われる」ことになった。

 渡瀬局長から、県内でリアルタイムで発生した「いじめ死」の告発そのものです。なぜそれが分からないのでしょうか。