期待がかかる「ブレイキン」での日本選手の活躍

 ブレイキンは通常、1対1か2対2、または多数のメンバーからなるチーム同士が対決し、優劣を競います。ブレイキンが他のダンススポーツと異なる点は、音楽を担当するDJと進行を司るMCが存在すること。音楽はDJが選曲し、選手たちは事前に楽曲を知ることはできません。選手は流れる音楽に合わせて即興で個々にダンスを披露し、高度な技術と独創性を披露しなければなりません。

 ブレイキンは主に4つの要素で構成されます。

・立った状態で足のステップと上半身を組み合わせた「トップロック」
・かがんだ状態で素早く足を動かしたり独創的な振り付けを行ったりする「フットワーク」
・背中や肩、頭で回転するなどのダイナミックな動きで構成される「パワームーブ」
・音楽に合わせて一連の動きを数秒間停止させる「フリーズ」

 パリ五輪では、男女それぞれ16人の選手が1対1で直接対決します。5人のジャッジは技術性、多様性、完成度、独創性、音楽性の5つの基準に基づいて採点します。

 ブレイキンに日本から出場するのは、男性の「Bボーイ」ではダンスネーム「Shigekix」の半井重幸選手、「Hiro10」の大能寛飛選手。女性の「Bガール」では「Ami」の湯浅亜実選手、「Ayumi」の福島あゆみ選手。

Shigekix(半井重幸選手)=2024 全日本ブレイキン選手権 オープン男子、2月18日撮影(写真:松尾/アフロスポーツ)
Ami(湯浅亜実選手)=2024年 パリ五輪 予選シリーズ ブタペスト ブレイキン 女子 決勝、6月23日(写真:ロイター/アフロ)

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 この4選手はいずれも世界トップクラスの実力を持っています。競技は8月9日・10日。ブレイキンは国や所属の枠を超え、選手たちが互いにアスリートとして尊敬を分かち合うスポーツとしても知られており、会場のコンコルド広場では最高峰の競技が展開されるだけでなく、これまでの五輪とは違った雰囲気に包まれるに違いありません。