「ファンタジー・オン・アイス 2024」で圧巻のパフォーマンスでファンを沸かせた(写真:松尾/アフロスポーツ)
  • プロフィギュアスケーター羽生結弦さんのアイスショー「ファンタジー・オン・アイス 2024」が5月24日に開幕した。
  • T.M.Revolutionの西川貴教さんとのコラボでアニメ「機動戦士ガンダム SEED」シリーズの挿入歌「ミーティア」を披露。
  • まるでリンクが宇宙空間になったかのような圧巻の演出と表現力で羽生さんとガンダム双方のファンを魅了した。(JBpress)

(田中 充:尚美学園大学スポーツマネジメント学部准教授)

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 総立ちの観客の惜しみない拍手が幕張の夜に響いた。

 フィギュアスケートのアイスショー「ファンタジー・オン・アイス2024」幕張公演が5月24日、千葉・幕張メッセで開演した。五輪を2連覇し、その後に転向したプロスケーターとして3シーズン目を迎えた羽生結弦さんは大トリでT.M.Revolutionの西川貴教さんとの夢コラボレーションを実現させ、アニメ「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの挿入歌「ミーティア」を初披露した。

スケートリンクが宇宙空間のようだった(写真:松尾/アフロスポーツ)

 卓越したスケーティングと磨き上げた表現力はもちろん、衣装の細部にまでこだわり、会場全体に「宇宙空間」を創出させる圧巻のパフォーマンスだった。

「ありがとうございましたー!」

 羽生さんが恒例としている感謝の雄たけびとともに、フィナーレが幕を閉じた。

 感激と興奮が混ざり合った会場で、羽生さんのファンでもあり、ガンダムファンでもあるという女性は公演直後の会場で、こう話していた。

「もう、最高すぎて泣きました! 羽生さんがめちゃくちゃ、フリーダム(ガンダムの機体)でした。今夜は本当に良いものを見させていただきました。レクイエム(戦略兵器)は破壊され、世界は救われた!というくらいの爽快感です」

 今年1月26日からシリーズ最新作として公開され、興行収入47億円、観客動員280万人を突破したロングランの「ガンダムSEED FREEDOM」の全国規模の上映は、一部を除いてショー前夜の23日が最終日だった。これも必然の演出だったのだろうか。

 羽生さんの大トリの演技は、会場の観客をガンダムの世界へと引き込んだ。リンクから天井までが壮大な宇宙空間で覆われ、戦闘シーンに採用される「ミーティア」には歌詞に込められたメッセージも強い。

 そんな音楽が流れ、西川さんの力強くもはかない歌声がリンク全体に響きわたる。

 ♪触れてても 冷たい指先~♪

 羽生さんは、「機動戦士ガンダムSEED」のガンダムの機体「フリーダム」をモチーフにしたとみられる白とブルーのきらびやかな衣装に身を包んでいた。