文=松原孝臣 写真=積紫乃
第3弾、第4弾……その先へと
2度の放送ともに大きな反響を呼び、好評を博した『こだわりセットリスト特別編・羽生結弦選手特集』。
プロデュースしたアナウンサーの藤原菜々花が2度目の放送を終えた心境を語る。
「1回目の放送前、放送後と、特に放送前はかなり心境が違っていました。第1回のときもプレッシャーはあったんですけれど、第2回に感じたプレッシャーはまた違ったもので、第1弾よりクオリティが落ちたらどうしよう、聞いてくださった方が『第1弾の方がよかった』と思ったらどうしようとか、ある意味、第1弾よりもプレッシャーはかかっていたと思います。第2弾を終えて、『やりきった』という思いはあります」
まさに妥協なく取り組んだからこその言葉だった。
ただ、ここで終わりとは思っていない。
「やりきった思いとともに、この番組も必ず進化させて未来につなげていきたいと思っています。リスナーの方々からも、第3弾を熱望する声をたくさんいただきました。こんなにうれしいことはありませんし、そのお気持ちに応えていきたいです。第3弾、第4弾……そしてその先へとつなげていきたいと思います」
「やりたいな」じゃなく、「絶対にやる」
思えば、好評を博し可能性の広がる今日があるのは、何もないところに種をまき、フィギュアスケートの番組を形にした発端があるからこそにほかならない。
「この番組を実現させていただけたのは、編成部の上司に『こういう番組をやらせてください』と相談したのがきっかけでした」
はたからは、編成部の上司に直接相談したこと、相談できたことは、ラジオNIKKEIの社内の雰囲気を伝えている。同時に、藤原の意思と姿勢を思わせるのは次の言葉だ。
「入社した当初から、絶対にフィギュアスケートの番組を絶対にやりたいと思っていました。振り返ると、『フィギュアスケートの番組、やりたいな』じゃなく、『絶対にやる。じゃあ、どうしよう』と考えたから実現に至ったのかなと思います。『絶対やる』となったら、行動が変わると思います。また、フィギュアスケートの番組をやりたいという思いも周りにけっこう話していました。そのうちの1人が同期の清水遥夏ディレクターで、清水ディレクターとの対話の中で、『こだわりセットリストに目を向けてみようか』となって実現しました。決意と、それを口に出す大切さをあらためて学びました」
そしてその根底には、羽生の存在があった。