大谷選手の打撃は絶好調だ(写真:AP/アフロ)
  • 米大リーグのドジャーズに、日本(日系)企業からスポンサー契約が続々と舞い込んでいる。背景にあるのは、もちろん、大谷翔平選手のドジャーズ移籍だ。5月16日、ドジャーズは飲料メーカーのヤクルトと複数年のパートナーシップ契約を結んだと発表した。これで日本企業との契約は9社目となった。
  • 大谷選手は17日のレッズ戦で13本目の本塁打を放ち、試合終了時でリーグ単独トップとなった。打率は0. 358、32打点・64安打・11盗塁など絶好調だ。
  • ドジャーズは大谷選手と10年間で総額7億ドル(入団合意時の為替レートで約1015億円)で契約を結んだ。相次ぐスポンサー契約などを含め、大谷移籍による今年の経済効果は500億円を超えるとの試算もある。プレーでの貢献度に加えて、“大谷ブランド”はグラウンドの外でも大きな恩恵をドジャーズにもたらしている。

(田中 充:尚美学園大学スポーツマネジメント学部准教授)

 5月16日の本拠地、ドジャースタジアムには平日にもかかわらず、今季のメジャー最多となる5万3527人が駆けつけた。

 お目当ては、ドジャーズ移籍後では初となる大谷選手のボブルヘッド(首振り)人形の先着4万人への配布だ。報道によれば、試合開始の2時間前には駐車場が満杯となり、入場を待つ観客の長蛇の列ができたという。

 ドジャーズは観戦チケットを需要に応じて価格が変動する「ダイナミック・プライシング」を採用する。この日のチケットは“大谷グッズ”欲しさから価格が高騰し、最も安い立ち見席でも日本円で2万円近くと、大谷人気の高さを証明。大手オークションサイトでは直後から高額出品が相次いだ。

大谷翔平選手の首振り人形をもらって喜ぶ子どもたち(写真:共同通信社)

 そんな大谷選手はこの日、安打や本塁打こそ出なかったものの、試合前には、心臓疾患と闘ってきた13歳の野球少年と対面。信じられないとばかりに感動した少年の始球式で捕手役を務めるなど、相変わらずのナイスガイな一面をのぞかせた。
                    
 そんな大谷選手に加えて、さらには今季から同じく新加入の山本由伸投手の活躍によって、ドジャーズには日本企業から次々とパートナーシップ契約が舞い込んでいる。新たに契約を結んだヤクルトは今後、ドジャースタジアムの外野フェンスと左翼スタンド上部に広告を掲載し、サンプル品の配布も予定。ブランド価値の向上を期待している。