対人関係のストレスで満ちている職場も。写真はイメージ(写真:metamorworks/Shutterstock)

ため息でアピール、匿名での嫌がらせ、無視、既読スルー…、現代社会は、「ずるい攻撃」であふれている。このような攻撃は受けた人を嫌な気持ちにさせるものの、中には「自分の気のせいかもしれない」と我慢してしまう人もいる。

「ずるい攻撃」をする人たち』(青春出版社)では、そんな「ずるい攻撃」を繰り出す人の心理を読み解き、攻撃から身を守る方法を明らかにしている。

(東野 望:フリーライター)

世にあふれる「ずるい攻撃」とは

 友人、家族、パートナー、職場の人など、現実世界を生きていくうえで、他人との関わりは無視できない。嫌な人と関わらずに生きていけるならばそれに越したことはないが、相手が職場の人間だったり、家族だったり、簡単には断てない関係性の場合は頭を悩ますことになる。

 中には、一見すると優しく温厚そうに見えるが、言葉や態度の端々に棘を感じるコミュニケーションを取ってくる人も。例えばLINEなどの既読スルーをはじめ、皮肉や嫌味、ため息でアピール、被害者ポジション、マウンティング、弱さを武器にする、わざとミスをする、などなど…。

 パワハラといった明確な攻撃とは違って、反論も抵抗も難しいこれらの攻撃を、心理セラピースクールの講師として活動する筆者の大鶴和江氏は「ずるい攻撃」と呼んでいる。

 これらの「ずるい攻撃」は、その気になれば「気のせいじゃない?」とのらりくらりと言い逃れすることもできるからたちが悪い。

「ずるい攻撃」を我慢していると…

 外見上、攻撃していることがわかりにくい「ずるい攻撃」。しかし反論も反抗もしないと、攻撃される頻度がますます増えたり、その攻撃内容も増長したりする可能性がある。いじめやパワハラと同じで、一度ターゲットになってしまうと繰り返される傾向が高いのだ。

 こういった攻撃のターゲットになってしまうのは、攻撃されても反撃できない“優しい人”たちだという。

 この“優しい人”は、現実的に加害行為に遭っているにもかかわらず、「自分の思い違いではないか」「波風を立てずにいたら平穏を保てるのではないか」「そのようなことをされる自分が何か悪いのかもしれない」と、自分の心や気持ちを抑えて我慢してしまう。それが続くと心は疲弊し、やがて麻痺し、気力も奪われ、最終的には心を病んでしまうことになりかねない。

 筆者は、その連鎖を断ち切るために必要なのは「ずるい攻撃をする人たちの心理を知り、言動を客観視できるようになること」「攻撃に圧倒されるのではなく、冷静に分析判断して、攻撃から抜け出すための知識を身につけ、対処できるようになること」だと述べている。