折り紙でホイップクリームはつくれるか?

三谷:世の中の折り紙のほとんどは直線折り、平面のみで構成されています。正直なところ、少し手先が器用な人であれば、誰でもできてしまいます。

 でも、折り線に曲線を入れることで、出来上がった立体に曲面を持たせることができる。そこが、今までの折り紙との大きな違いであり、私の研究の新奇性だと思っています。

 加えて、曲面があると見た目がきれいな立体ができます。

 今までにない折り紙をつくりたい、アート的な位置づけも大事にしたいということで曲線、曲面に重点を置いています。

──どのようなかたちのものをつくるのかという発想はどこから得ているのでしょうか。

三谷: ORI-REVOで適当に点や線を描いて完成図を見ながら「あ、なんかこれ、かっこいいな」と思ったものを折ることが多いです。

 ほかにも、気球のようなかたちのものをつくってみよう、とか、卵を包んだようなかたちのものをつくってみよう、というようにイメージを膨らましていくこともあります。

卵を包み込んだようなかたちのもの卵を包み込んだようなかたちのもの
ORI-REVOによる「卵を包み込んだようなかたちのもの」のシミュレーションORI-REVOによる「卵を包み込んだようなかたちのもの」のシミュレーション

──ORI-REVOで形状を考えているときと実際に折っているとき、どちらが楽しいですか。

三谷:折っているときですね。実際に手の中で紙がどんどん立体に仕上がっていく過程は、何度やってもわくわくします。うまくいかないときにイライラしてしまうこともありますが。

──これまでつくった作品の中で、一番の自信作の紹介をお願いします。

三谷:一つひとつ思い入れがあるのですが、これまでに一番多くつくった「ホイップクリーム」という作品が個人的には好きです。

ホイップクリームホイップクリーム
ORI-REVOによるホイップクリームの形状シミュレーションORI-REVOによるホイップクリームの形状シミュレーション

 ホイップクリームは、折り線が非常に少ないにもかかわらず、丸いきれいな曲面ができるので、とても気に入っています。

──今後、どのような形状のものにチャレンジしてみたいですか。