今年の総会の注目企業「京成電鉄」「北越コーポレーション」

 今年6月に開かれる株主総会での株主提案は、過去最高だった昨年を上回ったとみられる。

図表:共同通信社

 すでに総会を終えたトヨタでは、温暖化ガスの排出削減にどう寄与しているかなどをまとめた報告書の作成を定款に盛り込むよう求めた株主提案がなされたが、否決された。同種の株主提案は2年連続で、いずれも会社側が反対を表明していた。

 6月27日の集中日の株主総会で注目を集めているのが、京成電鉄と北越コーポレーションだ。

 京成電鉄は東京ディスニーリゾートを運営するオリエンタルランド(OLC)株の21.15%を持つ筆頭株主。持ち株の時価総額は1兆8000億円で、京成自体の時価総額約1兆円を大幅に上回る。

 英ファンドのパリサー・キャピタルは、持ち株を15%にまで下げ、売却で得た資金を運賃値下げに充てるべきと主張する。この提案に会社側は反対を表明しているが、京成とOLCのシナジーはそれほど大きくないだけに、株主提案に賛同する株主は少なくないとみられる。

 北越コーポレーションに対しては、香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントが社長解任などを要求している。北越コーポは大王製紙の大株主で提携関係にあるが、その関連会社である大王海運は北越コーポ株の20%以上を持つ。しかも大王海運がファンド提案に賛成の意思表示をしているため、提案が通る可能性が高い。

 このように、6月27日に開かれる株主総会では多くの面白いドラマを見ることができそうだ。逆に提案を受けた企業の経営者や総会担当者にしてみれば、眠れない夜が続くことになる。

株主総会の招集通知