ロシア、サウジが「増産」を視野?
ロシアのノバク副首相は7日、「自主減産を必要に応じて調整することは可能だ」と意味深な発言を行った。
アラブ首長国連邦(UAE)が原油生産能力を現在の日量465万バレルから485万バレルに拡張したことも明らかになっている*1。
*1:UAE Quietly Boosts Oil Production Capacity Ahead of OPEC Meeting(5月2日付、OILPRICE)
自主減産を主導するサウジアラビアの負担も重くなるばかりだ。サウジアラビアの国営石油企業サウジアラムコの今年第1四半期の純利益は前年比14%減の272億ドル(約4兆2000億円)だった。原油販売の減少に加えて原油価格の低下が災いした形だ。

だが、配当は310億ドルを維持した。アラムコの配当は大株主であるサウジアラビア政府の重要な収入源になっているからだ。純利益を上回る配当を続ければ、十分な投資ができなくなりサウジアラビアの原油生産能力に今後、支障が生ずる可能性がある。
OPECプラスが7月以降、増産に転じることになれば、原油価格に大きな下押し圧力がかかることは間違いないだろう。
一方、需要面は弱含んでいる。