Z世代の軽い気持ちには危険がいっぱい(abdulla binmassamによるPixabayからの画像)

 東京都台東区で飲食店などを営む夫婦の遺体が、焼却されかけた状態で発見された「那須2遺体損壊事件」、連日の報道でご存じの読者も多いかと思います。

 4月30日から5月1日にかけては、那須の現場に遺体を運んで火をつけた「実行犯」と思しい2人の若者が逮捕されたとの報道。

 いずれも20歳。本コラムではイニシャルの表記としますが、21世紀生まれのZ世代が、こんな悪事を働き、検挙されて実名と顔写真が報じられています。

 むろん、この事件そのものが言語道断の犯罪ながら、そこで「トカゲのしっぽ切り」よろしく若者が末端で使われている。しかもその「犯行」は稚拙極まりなく、精神年齢の低さがはっきり確認される代物。

 こうした犯罪に加担させられ、若者たちのキャリアが終わってしまうことにも、深く胸が痛みます。

 特に、今回身柄を確保された20歳のW容疑者は10年前、NHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」で、主役の「官兵衛」こと、福岡藩の藩祖・黒田如水 と、その長男・黒田長政の少年時代を一人二役で演じた「大河の主演子役」からの転落と報じられています。

 本稿は連休の谷間に書いていますが、執筆のため裏を取った時点ではマネジメントのページはかつての情報にリンクがつながっていました。

 2018年、あるいは2021年との報道もありましたが、その時点で子役を「引退」、別の道に進むことにしたと報じられています。まさかこんな道に踏み込むとは、本人を含め誰も思っていなかったでしょう。

 この「大河ドラマの主演子役」から「死体損壊犯」への道のりが、どのようなものであったのか、詳しいことはもちろん分かりません。

 しかし、一つの可能性として「青天の霹靂」的な急展開があった可能性、その「転落」はほとんど瞬間的な「ワープ」に近く、SNSでの何の気なしの応答で人生を失った可能性を、本稿では指摘しておきたいと思うのです。

 若い読者の皆さん、どうか「闇バイト」などには一切近づかないように、周囲を含め、気を付け「再発防止」を意識してください。一大学教官として、衷心から記すものです。