「エコ」とは「サステナブル(持続可能)」であること

 本物のエコハウスは、長期にわたって、社会や環境、住まい手にかける負荷が少ないものを指します。つまり「サステナブル(持続可能)」な住宅かどうかで判断する必要があるのです。

 エコハウスを一言で説明するとしたら、「エネルギー消費が少なくてもより快適に過ごせる住宅」と言えます。健康と家計を守り、脱炭素に貢献できる住宅が、本物のエコハウスです。なお、ドイツでは「パッシブハウス」という世界最高峰の超省エネ住宅があり、認定を取るためにはさまざまな基準値が設けられています。

 例えば一定の室温を保ちつつ、年間で暖房に消費するエネルギーの上限は1m2あたり15kWh以下です。なお、日本で2022年以前の「最高等級」とされていた断熱等級4の年間暖房負荷は、1m2あたり127.8kWhと、1桁違います。室温とエネルギー消費量をエコハウスの基準とするのは、世界的な標準となっています。

「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札 』(集英社新書)

 ここまでの説明で、エコハウスについてなんとなくのイメージはつかめたかもしれません。でも「外気温がマイナスのときも、室内はほぼ無暖房で20℃を保っていられる家がある」と聞き、実感を持って納得できる人がどれほどいるでしょうか。日本の既存の住宅と、世界レベルのエコハウスとでは性能に段違いの差があるので、ピンとこないと思います。

 私自身も、初めて聞いたときには想像もできませんでした。私の認識が劇的に変わったのは、エコハウスに宿泊体験したときです。