日本のスポーツも海外で賭けの対象に

 スポーツベッティングは、スマートフォンがあれば、手軽に賭けることができ、試合の勝敗だけでなく、「次にゴールするのはどちらのチームか」「特定の野球選手の次の打席の結果」などにリアルタイムで賭けることができるという。参考となる選手やチームのデータが活用されることで、データ・コンテンツの価値も高まるという点で、スポーツ産業と結びつく。

 また、スポーツベッティングとの関連性が指摘されるのが、海外スポーツで高騰を続ける映像配信などの放映権料だ。放映権料は、1990年代前半まで日本のプロ野球と変わらなかったメジャーリーグの売り上げを拡大させた要因でもある。

 スポーツベッティングの合法化によって、純粋なスポーツファン以外にスポーツベッティングに参加する層がスポーツ中継の視聴者層に流入。それにより、放映権の需要が高まったとの見解が支持されている。

(写真:New Africa/Shutterstock.com

 スポーツベッティングの対象となっているスポーツは、海の向こうだけではない。すでに、日本国内のプロ野球や大相撲、Jリーグなどが、海外からのベッティングの対象となっており、その金額は年間5兆円規模だという。

 また、日本国内ではスポーツベッティングは違法だが、海外サイトを通じて賭けている人が年間100万人以上おり、その規模が1兆円に達する可能性があるとの指摘もある。こうした掛け金は、日本で課税されることはなく、ベッティング対象である日本国内のスポーツに還元されることもないため、大きな逸失利益になるという。この点から議論を進めるべきとの声があるのだ。