辞職理由、本音は「もうこりごり」?
小林氏:今回の発言に関しては、私は川勝知事に同情的ではあります。これまでの暴言がもっと強烈だったというのはありますが。
知事は会見で「全文を読めば真意がわかる」というようなことを言っていました。たしかに「毎日野菜を売ったり~」という発言は訓示のごく一部分で、県庁の新人職員に自信と誇りを持って頑張れと伝えたかったというのが真意でしょう。
川勝知事の行くところどこにでも付いて行って、ボイスレコーダーを回し、鵜の目鷹の目で粗探しをする記者も記者だと思います。
一方、川勝知事も川勝知事です。「毎日野菜を売ったり~」という発言は4月1日でしたが、3月13日には「磐田っていう所は文化が高い。浜松よりもともと高かった」「藤枝東高は(生徒が)サッカーをするためにやってきている。ボールを蹴ることが一番重要。勉強よりも何よりも」と発言し、不適切だと指摘されていました。
こびりついたものを変えることはできないということですね。過去に不適切発言があったときには、知事自身「もうこれからは絶対しない。気を付ける」っていうことを何度も何度もおっしゃっているわけですよ。周囲も指摘していたはずです。それでも、昔の感覚がべったりとこびりついてぬぐえないんでしょう。
彼なりのリップサービスなのかもしれませんが、何かを持ち上げるときにいつも別の何かと比較をして、下げるようなことを言ってしまう。変えることのできない習性ですね。
――過去の失言では辞めませんでしたが、今回は辞職につながりました。
小林氏:辞職の理由について、知事自身はリニア中央新幹線の開業延期という「区切りを迎えた」ことを挙げていました。知事の頭の中はわかりませんが、私は「もういいや」「もうこりごり」というのが本音ではないかと思います。
辞意表明の6日前、3月26日の記者会見では、知事は終盤疲れているようにみえました。