明治大学の校歌を歌い拍手喝采
小林氏:「磐田は浜松より文化が高い」発言を若い記者たちに蒸し返され、「武士を育てるのはお母さんだ」というような自説をぶち始めたんですが、そこでまた「ジェンダーを理解していない」と責め立てられていました。
根っからの学者でプライドの高い方です。若い記者たちからとやかく言われるのはもういい――。そんな感じが、にじみ出ていました。
――過去には自民県議に対する「ヤクザ・ゴロツキ」発言や、御殿場市を揶揄した「御殿場コシヒカリ」発言がありました。数々批判を浴びてきたものが積もり積もって、今回の辞職につながったという指摘は、たしかに想像しやすいなと思います。
小林氏:これまで辞職勧告決議が可決されたり、不信任決議案が出されたりしましたが辞めませんでした。権力者の座にいるということ自体は、川勝知事にとって気持ちいいことだったのでしょう。
――これだけの暴言が指摘されていながら、選挙は常に圧勝でした。川勝氏が人気だった理由はなぜでしょうか。
小林氏:失言をのぞけば、話はうまい。県民に夢を与えたり、楽しさを提供したりという意味では、非常に優れた方だったと思います。
今も印象に残っているのは、明治大学の同窓会でのあいさつです。招待客の一人としてあいさつに立った川勝知事は、まず、みんなの前で明治大学の校歌を歌い始めました。「白雲なびく駿河台~」と、校歌をちゃんと歌えちゃうわけですね。
彼は早稲田の人ですよ。それに続く話も、自身の経験と明治とのつながりについて話をされて。もう拍手喝采でした。
特定の人や地域を下げずむようなことさえしなければ、しゃべりで人を楽しませるということがとても上手な方なんですがね。
――県民の人気に加え、スズキの鈴木修・相談役が強力に支持していたとされています。なぜ鈴木氏は川勝氏を応援していたのでしょうか。