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「人口70万人割れ」で政令市最下位の静岡市

 ふるさと回帰支援センターの「移住希望地ランキング」調査結果が発表された。トップは静岡県で4年連続。2位以下は群馬、栃木、長野、宮城の順だった。静岡が人気の理由は、東京からのアクセスの良さと利便性の高さ、そして県の移住促進に向けた取り組みが功を奏した。

 静岡の魅力は山ほどある。世界文化遺産に登録された富士山をはじめ、熱海や伊豆の温泉、全国シェア4割を占める日本有数の茶産地であり、静岡の茶草場農法は世界農業遺産に認定されている。その他、普通温州(うんしゅう)みかんや水わさび(根茎)の生産量、出荷量は日本一。マグロ類の漁獲量も日本一である。そして気候は温暖。将来的な大地震や富士山噴火の可能性を除けば、いかにも暮らしやすそうにみえる土地である。

熱海熱海

 移住希望人気だけでなく、実際の移住者数も増えている。静岡県のサイトによると、移住者数は2018年の1291人が2022年には2634人まで増えた。過去最高で、5年で2倍以上に増えたことになる。県外からの移住者数が多い自治体の上位は、①浜松市390人、②静岡市255人、③沼津市253人、④富士市241人、⑤三島市130人──となっている。

 移住相談件数は、2018年の9981件が2022年は1万3496件にまで増加した。実際の移住世代は20~40代の子育て世帯等が83.6%を占めている。

 素晴らしい結果だが、そんな移住人気県なのに、残念なことに人口減少が止まらない。

 静岡県の人口は354.5万人(2024年2月1日推計)で、前年の357.1万人から2万7000人の減少。2007年の379.7万人から25万人も減ってしまった。政令市・静岡市の凋落もひどい。2月の人口は67万5341人。2012年には72万人だったのに、今では70万人割れで20政令市の中で最下位となっている。