核抑止は倫理的かつ合法か

 露テレビ局は「かつてのグレートブリテン、現在はリトルブリテンの海軍がその力を誇示しようとした試みは失敗に終わった」と皮肉った。フランスではウクライナ戦争への加担に反対する右派ナショナリスト政党「国民連合」(旧国民戦線)のマリーヌ・ルペン氏が人気を集める。

 英国の戦略研究の第一人者、キングス・カレッジ・ロンドンのローレンス・フリードマン名誉教授は有料ブログに「核抑止は倫理的かつ合法か」(3月24日付)と題して投稿し「大量死をもたらすことが邪悪なことではないとどうして言えるのか」という究極の問いを検証している。

 第二次大戦では戦闘員と非戦闘員の区別は着実に失われていった。民間人も空襲などさまざまな形で命を落とした。広島と長崎への原爆投下でそれは頂点に達した。1945年3月の東京大空襲は大戦で最も死者を出した空襲だったとフリードマン氏は指摘する。

「邪悪なことをする準備をすることで、それと同じかそれ以上に邪悪な方法で行動する他者を抑止するという考えは、道徳的優位を主張することはできない。核兵器を廃絶できれば核の時代から抜け出せる。しかし今のところ、そのような状況とは程遠い」(フリードマン氏)