サウスカロライナ辛勝でトランプが大胆に仕掛けた「亡国の罠」
共和党私物化で裁判費用捻出、負けたヘイリーには献金相次ぐ
2024.2.25(日)
高濱 賛
フォロー
フォロー中
サウスカロライナはトランプの金城湯池
ドナルド・トランプ前米大統領は、2月24日行われた南部サウスカロライナ州の共和党大統領候補指名の予備選挙で、インド系女性、ニッキー・ヘイリー元国連大使を54.8%対44.5%(現地時間24日午後7時30分=日本時間25日午前6時30分)で下した。
トランプ氏は3月下旬までに予備選や党員集会で勝利を重ね、指名獲得に必要な総代議員の過半数1215人の確保を狙う。
相次ぐ判決で巨額の罰金を命じられ、今後、連邦・州各刑事裁判が待ち受ける中でも共和党内での大統領候補指名争いは独走態勢に入っている。
そのトランプ氏に挑戦し続けるヘイリー氏は、同州の知事を務めたこともあるが、同州共和党員の93%は白人、そのうち70%はエバンジェリカルズ(宗教保守)が占める「トランプの金城湯池」。
同州の民主党支持者は白人23%、黒人78%と、人種的にも二分されている。
こうした党内事情で、一般投票ならともかく、党内選挙で有色人種のヘイリー氏が勝つことはまず無理だった。
ヘイリー氏にとっても敗北は「織り込み済み」だった。世論調査でもトランプ氏とは25から29ポイント差をつけられていた。
(pewresearch.org/racial-and-ethnic-composition/by/party-affiliation/among/state/south-carolina)
(realclearpolling.com/republican-primary/2024/south-carolina)
その点では「善戦」と言っていい。