フロリダ州にあるマール・ア・ラーゴの大豪邸が投げ売りされる可能性も(2022年8月16日撮影、写真:ロイター/アフロ)

億万長者でも限度があるトランプ

 米共和党大統領候補のドナルド・トランプ前大統領(77)は、世論調査の支持率レースでは、2月24日の、サウスカロライナ州予備選*1、その後のミシガン州予備選も圧倒的多数で勝ちそうで、「もしトラ」願望者やトランプ勝利を予想する賭け師を喜ばせている。

*1=サウスカロライナ州ではニッキー・ヘイリー元国連大使を25.3ポイントリード、ミシガン州では51.7ポイントリードしている。

realclearpolling.com/republican-primary/2024/south-carolina

 だが、世論調査という「バーチャル社会の数字。しかもトランプ支持率は必ずしもトランプ票につながらない。トランプ・カルト票や同情票などいろいろ交じり合っている」(米主要メディアの政治記者)。

 現に、2月18日に公表された米国民が選ぶ「歴代大統領ランキング」では、トランプ氏は10.92点で45人中最低(ジョー・バイデン氏は62.66点で14位)。

世論調査の支持率がトランプ氏に対する評価のすべてではないことだけは肝に銘じておいた方がいい」と前述の政治記者は筆者に言う。

brandonrottinghaus.com/presidential_greatness_white_paper_2024.pdf

 億万長者の大統領候補としてカネには糸目をつけぬキャンペーンを続けているかに見えるが、今保有する資産は31億ドル。

 マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏(総資産1230億ドル)やテスラCEO(最高経営責任者)、X会長のイーロン・マスク氏(同2060億ドル)に比べると、トランプ氏は億万長者とはいえ、足元にも及ばない。

 自ずと限度はある。

 2月16日、ニューヨーク州最高裁(アーサー・エンゴロン判事)は、トランプ氏がオーナーを務めるトランプ・オーガニゼーションが過去10年間行ってきた詐欺行為を有罪とし、3億6400万ドル(約535億円)の罰金*2を科した(合わせて今後3年間の営業停止を裁定している)。

*2=罰金に加算される利息は2019年以降、年率9%、現時点で1億ドルに達している。

 息子2人、トランプ・オーガニゼーション幹部に対する罰金、罰金利息支払いを保証する保証債を含めると、支払い額は5億ドルに達する(弁護士に支払う費用は含まれていない)。

 さらに、マンハッタン地区連邦裁は2月16日、不倫相手が上訴していた名誉棄損事件でトランプ氏に8330万ドルの支払いを命じている。

 まさに罰金・賠償金のオンパレード。

 2月17日、トランプ氏はゴールドの靴紐、「T」の頭文字をあしらった1足399ドルのスーパースニーカーの発売を発表したが、何万足売れても罰金の支払い額には焼け石に水だ。

nbcnews/2024-election/trump-launches-sneaker-line-rcna

 司法関係者によると、上告して時間稼ぎを狙っても逆転判決を受ける可能性は低いという。

 さらに、これまで起訴されるたびに支持者が拠出してきた選挙資金は2023年段階ではトランプ陣営の金庫には5000万ドルあったが、現在額は不明。

(一方、バイデン陣営の手元には現在1億3000万ドルある。今年1月だけで4200万ドルの選挙資金が集まった。これまでトランプ優勢だった軍資金争いでは、情勢が逆転している)