「政治資金」って何?

 政治資金を扱うのは「政治団体」です。では、政治団体とは何でしょうか。政治団体はおおむね次の4つに区分することができます。

(1)政党(政党本部、および公職の候補者が代表を務める政党支部を含む)
(2)政治資金団体(政党に資金を援助する団体。政党が指定)
(3)資金管理団体(政治家個人に資金提供などを行う団体)
(4)その他の政治団体(後援会など)

 政治資金とは、端的に言えば、これらの政治団体が扱う資金のことで、政治家が政治活動に関して使うお金のことを指します。税法上、政党は公益法人、それ以外の政治団体は人格のない社団等として扱われるため、収入に法人税はかかりません。

 次に、政治団体の収入にはどのようなものがあるか見てみましょう。

原則禁止の企業献金に「抜け道」

 1つ目は、政治家が所属する政党本部からの寄付です。自民党のように派閥がその所属議員に寄付するケースもあります。

東京都選挙管理委員会の資料から

 2つ目は、一般に個人や企業・団体からの寄付です。「献金」とも呼びます。90年代の政治改革で企業献金は禁止されたと記しましたが、これはあくまで原則で全面禁止ではありません。ちゃんと“抜け道”も用意されています。企業・団体は政治家個人や一般の政治団体には献金できませんが、(1)の政党本部や政党支部、および(2)の政治資金団体には献金できるのです。

東京都選挙管理委員会の資料から
東京都選挙管理委員会の資料から

 例えば、自民党は「自由民主党本部」という政党本部を持っており、自民党所属の衆院・東京1区の山田美樹議員は自らが代表を務める「自由民主党東京都第1選挙区支部」という政党支部を持っています。これらの団体は企業献金を受け取ることができるわけです。逆に言うと、政党に属さない無所属議員は企業献金をもらうルートがありません。