(舛添 要一:国際政治学者)
年末になって、日本の政界に激震が走っている。自民党のパーティー券問題で国会議員にも強制捜査が始まった。
進む検察の捜査
派閥が開いた政治資金集めのパーティーで、派閥所属議員は役職や当選年次に従ってパーティー券販売のノルマを課されるが、ノルマ超過分は議員にキックバックされることになっていた。安倍派や二階派で顕著だという。安倍派の場合、それを政治資金収支報告書に記載していなかったという政治資金規正法違反が問題になっている。
安倍派の5人衆と言われる松野博一官房長官、西村康稔経産相、萩生田光一政調会長、高木毅国対委員長、世耕弘成参院幹事長が役職を辞任するなど、安倍派は政府の要職から去った。
検察は、国会閉会中に捜査を進めるが、そのため通常国会の開催は1月下旬と、通常よりも遅れそうである。
12月26日、東京地検特捜部は、池田佳隆衆院議員の関係先を捜査した。これに続いて、翌日には大野泰正参院議員の関係先も捜査した。国会議員の強制捜査まで行うのは異例である。
今後、捜査がどのように展開するのかは不明であるが、岸田政権にとって大きな打撃となるのは間違いない。内閣支持率も下がり続けており、10%台という数字も出てきた。閣僚や党役員を交代させたが、その効果も限定的である。