こういう子が医学部入試で落ちる
近年の医学部受験では学力考査に加え、小論文や面接など、人間力を問う試験が盛んに導入されている。
「たとえば入試面接の冒頭で、遠方から来た受験者に『昨夜はどこに泊まり、ホテルは誰が取ったのか?』と軽く聞かれることがあります。この時に『親がホテルを予約しました』と回答するような子は最悪です。試験官は『この人を医師にしていいのか』を見ています。この回答だと、本人の主体性が感じられないし、自分自身を客観的に捉える力もないと見なされる」
何気ない会話から、「人間力」を見られているというのだ。
「患者が抱えるのは、痛みだけでなく不安です。医師や看護師が『今、こういう状況です』と伝えるだけで、患者はホッとした顔になっていた。患者とその家族の不安に共感できる人、その使命を常に認識している人でなければ、医療従事者にはなれない。生徒たちに『どう寄り添うの?』と突っ込んで聞けるようになったのは、この副業をはじめてよかった点だと思っています」
コロナの落ち着きと共に、夜間救急の件数もコロナ前に戻りつつある。Fさんは、今後も夜間受付の副業を続けるつもりだという。