お正月と言えば、お年玉。子供の頃はただただ待ち遠しかったお年玉が、いざ渡す側になると結構負担に感じられる。そんな読者が少なくないのではないだろうか。キャッシュレスが拡大するなどお金のあり方が変化する中で、よその家ではお年玉についてどんな考えで、どんな渡し方をしているのか。“本番”直前に、ユニークな渡し方の事例や、お年玉への本音を紹介する。ご参考あれ。
(森田 聡子:フリーライター・編集者)
お年玉の起源は中世に
早いもので2023年もあとわずか。もういくつ寝るとお正月がやってくる。子供のいる家庭なら欠かせない新年の風物詩がお年玉だ。
お年玉の起源は中世まで遡る。江戸時代には、1年の福徳を持って高い山から訪れる歳神様に供えた「御歳魂」という餅を家長が小さく切り分けて家族に配る慣習があったらしい。今のようにお金を渡すようになったのは60~70年前、昭和の高度成長期からだ。
そのお年玉も、キャッシュレス化の流れで様変わりしつつある。
PayPayやLINE Payといった個人間送金アプリの利用が急増しており、PayPayによると2023年1月1~3日のお年玉と思われる送金件数は前年同期比で156%に上ったという。
PayPayは専用“ポチ袋”で送金すると「お年玉くじ」
エイチームが12月21日に発表した「お年玉・贈り物のキャッシュレス化に関する意識調査」の結果によると、88.0%が24年のお年玉を「現金」であげる予定と答えている。まだ全体で見るとキャッシュレスは少数派だが、こうした送金サービスを使えば、直接会えない遠方に住む甥や姪、孫にも手軽にお年玉を送金できるメリットがあり、今後の広がりが予想される。
決済サービスの業者も近年はお年玉需要の取り込みに力を入れている。
例えば、PayPayは24年1月14日まで、専用“ポチ袋”で送金すると送り手と受け手の双方に最大1万ポイントが当たる「お年玉くじ」キャンペーンを実施中だ。PayPayはこの12月から現金化が可能なPayPayマネーを優先的に送金できる機能を搭載するなど、お年玉利用を促す変更も行っている。
そうした中で、渡す側の大人は、お年玉についてどのように考えているのか。