(3)「テーマ型」成長投資枠の“地雷”商品

 新NISAで買ってはいけない商品の3つ目として挙げたいのは「テーマ型」です。

 テーマ型は、世の中の流行や関心に合わせて、特定の企業や業界に投資する商品です。「テーマ」は時代に合わせて変わります。IT、バイオ、シェールガス、SNS、AI(人工知能)、ESG(環境・社会・企業統治)、SDGs(持続可能な開発目標)、仮想通貨(暗号資産)、ロボット、VR(仮想現実)、メタバースなど挙げればキリがありません。「インド」「ブラジル」「宮城県」といった特定の国や地域に関係する株式を組み入れている商品もあります。

 成長投資枠の約300本はこのテーマ型となっています。

(写真:chayanuphol/Shutterstock.com

 テーマ型は、テーマの旬が過ぎてしまうと注目されなくなります。そうなると、徐々に資金が流出し、純資産総額も小さくなり、やがて繰り上げ償還されてしまいます。旬が過ぎていれば、その後の値上がりも期待できません。

 テーマ型は、なんと言っても手数料が高いのがネックです。購入時手数料がかかる場合もあり、信託報酬は年1.5〜2.5%と高くなっています。どうしてもテーマ型を買いたいのであれば、短期投資と割り切って行うのがいいでしょう。

(4)「隔月分配型」は資産形成に向かない

 新NISAで買ってはいけない商品の4つ目として挙げたいのは「隔月分配型」です。

 分配金を隔月で支払ってくれるタイプの商品です。新NISAでは毎月分配型は除外されましたが、隔月分配型は除外されていません。

 毎月分配型だけでなく、隔月分配型も、運用で利益が出なかったときは元本を取り崩して分配金を支払います。分配金を支払った分だけ元本が減ってしまうので、その後に値上がりしたときの恩恵は少なくなります。加えて、購入時手数料がかかる場合もあり、信託報酬は年1〜2%と高く設定されています。

 年金生活をしているような資産取り崩し層なら利用価値はありますが、これから資産を増やそうと考えている資産形成層が利用するメリットはありません。複利効果を生かしてお金を長期的に増やすことを考えるならば、分配金はない方が効率的ですし、あっても再投資するほうが効率的です。