(5)ファンドラップやロボアドは要注意

 新NISAで買ってはいけない商品の5つ目として挙げたいのは「ファンドラップ」と「ロボアド(ロボットアドバイザー)」です。

 ファンドラップとは、投資家と金融機関との間で「投資一任契約」を結び、売買や資産管理をすべてお任せするサービスです。投資信託の商品自体も運用はプロにお任せなのですが、ファンドラップの場合は資産配分や投資商品の選定などすべて金融機関にお任せする点が違います。投資家の意向をくんで、最適な投資先をプロが探してくれる、一見、便利なサービスです。

 しかし、ファンドラップの手数料は割高です。投資信託の信託報酬の負担に加えて、ファンドラップの「口座管理手数料」や「投資一任手数料」といった手数料が年間1〜3%程度かかります。金融機関によっては、得られたリターンから5〜10%の「成功報酬」を徴収するところもあります。

 金融機関からすれば「手間がかかるのだから当然」と思うかもしれませんが、ファンドラップの運用担当が選ぶ商品は、個人投資家も投資できる商品です。それであれば、手数料の安い商品に自分で投資したほうが、手数料が安く済みます。プロに一任したから絶対にもうかるというわけでもありません。

(写真:TSViPhoto/Shutterstock.com

 ロボアドは、金融のプロが開発したアルゴリズムを投資に生かすことのできるサービスです。ロボアドには大きく分けて、ポートフォリオを診断して商品を示すだけの「アドバイス型」と、資産配分や投資商品の選定まで任せる「運用一任型」の2種類があります。

「アドバイス型」は無料で利用できるので良いですが、問題は「運用一任型」です。先のファンドラップ同様、運用一任型のロボアドは、ETF保有コストと運用資産の年1%前後の手数料を個人投資家が負担します。

 プロのアルゴリズムを活用しているからといって、もうかるとは限りません。1990 年にノーベル賞を受賞したハリー・マーコビッツ氏が礎を築いた現代ポートフォリオ理論に基づく「平均分散法」を活用しているから、「リスクをより抑えられる」とも限りません。

 リスク・リターンの計測期間(3年なのか、5年なのか、10年なのか)、観測時期(直近なのか、リーマン・ショックなどの時期は入れなくて良いのか)、データ頻度(日次、週次、月次)など前提によっても変わります。将来リターンの推定法にもよります。

 そもそもロボアドの「年1%」という手数料は妥当なのか怪しいところです。「リスクを低減するために分散投資したい」「自動でリバランスしてほしい」という理由でロボアドを利用しているなら、バランス型を購入した方がコストをグッと抑えて、効率よくお金を増やすことができます。先述の「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」は信託報酬が年0.143%です。ロボアドに頼って投資するかは、そのアルゴリズムにどれほどの価値を見出すか、つまりはどれだけ手数料を支払うかを納得できるかにかかっています。

 結局のところ、手数料が安くてシンプルな商品を選ぶのが最善です。すごそうだ、もうかりそうだという理由で気軽に買うのはNGだと肝に銘じてください。

 今回の情報が、新NISAの投資行動のご参考になれば幸いです。(関連記事:「新NISAで資産2000万円へ、「積立額×利回り×年数」シミュレーション表を公開」を読む)

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※実際の投資や売買に関しては、ご自身の判断と責任において行われますようお願い申し上げます。