財務省はどうして「増税」にこだわるのか

 高橋洋一氏は財務官僚についてこういっている。

 財務省が「政治家やマスコミ、他省庁をひれ伏させ、“最強官庁”の名をほしいままにしてきた」のは「予算編成権と国税査察権」があるからだ。そのほかに、「天下り先のポストを差配する」人事権もある。財務省は「総理、官房長官、官房副長官のすべてに秘書官をだしている」)。

 官僚にとって一番大事なのは国よりも省、とよくいわれる。要するに、「いかに多くの予算を確保し、OBを含めた自分たちの利益を確保できるか」という、いわゆる「省益第一主義」である。

 しかし「財務官僚の場合、これに加えて『財政再建主義』という原則が加わります」。つまり「なるべく歳出を減らし、歳入を増やすことに固執する」。これを実現するための「最も有力な手段」が「消費増税」である。

 財政再建主義は、財務省の絶対譲れない宗旨である。だから減税など決してしない。ガソリンがいくら高くなってもガソリン代の4割は税金だが、ガソリン減税はしない。財界には消費増税時に賛成してもらったので、企業の内部留保がいくら巨額になろうとも、「それへの課税は検討されることはありません」。日本新聞協会は消費税のとき、「租税特別措置」という餌を与えられて消費増税を免れたため、財務省批判ができない。

 財務省はどうして「増税」にこだわるのか。「結局のところ、自らの権益を拡大するため」つまり「歳出権の拡大」だ、というのが高橋氏の見解だ。省の利益・権益のために国政を左右するのかと思うが、官僚たちならやりかねないのだ。

 しかしそれでいて財務官僚たちは、自分たちは「国士」だと勘違いしているという。「国士とは身を投げうって国家を支える憂国の士ですが、悪者になってもいいから、あえて国民に不人気な増税という選択肢をわれわれは選ぶのだと思い込み、正当化している」

「予算編成」と「徴税」の組織を分けるべき

 それだけではない。官僚は無謬説の上にたっているから、絶対に自分たちの政策の非を認めようとしないのである。

 高橋氏は、文書改ざん、事務次官のセクハラ発言、平気でうそをつく不誠実な答弁、、財務官僚の傲慢さやおごりなど、最強がゆえにやりたい放題の財務省を改革するには「財務省解体」という荒業が必要だと主張する。財務省解体とはどういうことか。「歳入庁」の新設である。

「国税庁を財務省から切り離し、日本年金機構の徴収部門と合併させ」、「新たに税金と年金などの社会保険料の徴収を一括して行う『歳入庁』を新設すること。つまり、国税庁と日本年金機構の徴収部門を統合した組織をつくる」ことである。