(勢古 浩爾:評論家、エッセイスト)
毎日新聞の人生相談の欄に「娘がひどいスマホ依存に」という50歳の女性からの相談が寄せられた(7月30日付け)。
高校1年の娘が「朝から晩までソファに寝転がって」スマホを見ている。平日も「帰宅したらずっとスマホ」。動画を見ていることが多いらしく、「スマホ依存がひどいと感じ」る。「話し合うと『気をつける』と言うものの、すぐ元に戻ってしまいます。スマホを取り上げるのは現実的ではないので、お力をお借りしたいです」
子どもを持つ親が共通してもっている悩みだと思われる。
スマホ依存をチェックする14項目
自分ひとりのことなら、スマホをどの程度使うかは自分で決めればいい。しかし子どものことになるとそうはいかない。子どもにいつから持たせるか、どのくらいの時間使わせるか、親子間でどんなルールを決めればいいのか。
もしわたしがスマホ適齢期の子どもを持つ親なら、どうしていいかまったく自信がない。
ある調査によると、いまの子どもは9歳(小学3年)で3割が自分専用のスマホをもっている。小学高学年で半数を超え、中学で9割以上、高校になると、残りの1割も埋め尽くされほぼ100パーセントになるようだ。
脳神経外科医の奥村歩氏の『スマホ脳の処方箋』(あさ出版)には、次の表のようなスマホ依存のチェックリストが挙げられている(便宜的に番号を付した)。
奥村医師は該当項目が「4つ以上」の人は「スマホ依存の疑い」がある、といっている。しかし多くの人は4つどころではすまないのではないか。とくに1、2と5から10までに該当する人はほとんどが、命の次に大切なのはスマホ、というような依存者だと思われる。
わたしはスマホを持っていない(ガラケーも)。理由は単純、不要だからである。いや邪魔でさえある。もともと電話が嫌いなのだ。