(勢古 浩爾:評論家、エッセイスト)
なんだこれは? と思った一番最初のメールは、アマゾンからのものだった。
差出人は当然「Amazon」。見出しは「アカウントの使用制限のお知らせ。更新してください」だった。
その瞬間、頭のなかが「???」になる。「アカウントの使用制限」ってなんだ? 使えなくなるということか? 「更新」しろって、なにをどうするのだ?
わたしはときどき、アマゾンで本や電化製品や雑貨を買うのでこれを見たとき、なんか面倒なものがきたなあと思った。しかし見出しを見ただけで、メールは開かなかった。
いきなり使用制限などおかしい。1冊文庫本を頼んでみれば実際のところどうなのかが分かるはずだと思い、1冊頼んでみた。案の定、なんの問題もなかった。
これは詐欺だなと思い、メールを開かないまま削除した。こういう場合、添付ファイルを開かなければ大丈夫ともいわれるが、添付ファイルのマークはない。もしかしたらメールを開いただけでもウイルスに感染する新手のものかと疑い、気色が悪いので開かなかったのである。
同じような怪しいメールがつぎつぎと
ところがそれ以後も、似たような怪しいメールがくるわくるわ。それ以前も、もちろんジャンクメールはいっぱい来ていたが、この手のものは皆無だった。
来たやつは次のとおりである。
Amazonお客様 「Amazon支払方法を確認できず、注文を出荷できません」
Amazon株式会社 「アカウント使用制限のお知らせです」
From税務署 「未払い税金のお知らせ」
イオンクレジットサービス㈱「イオンカード使用制限のお知らせです」
PayPay 「重要 必ずご覧ください。お客さま情報等の確認について」
エポス 「至急 エポスカードの支払先のご連絡」
AU 「至急 重要なお知らせ。口座利用禁止」
三井住友カード 「ご注意 三井住友カードお客さま情報の確認」
同 「重要 三井住友銀行アカウントの異常通知」
三井住友信託銀行 「自動メール配信 不正ログインを検知」
西日本シティ銀行 「お客さま情報の確認について」
Rakuten-88 156 255 「重要なお知らせ 楽天からのご連絡」
ETC利用サービス事務局「重要なお知らせ 解約予告のお知らせ」
セゾンカード 「アカウント利用制限のお知らせです」
りそな銀行 「重要・緊急 利用制限のお知らせ」
三井住友カード 「ご請求金額確定のお知らせ」